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    評価書

    ●なにがわかる?●


    「評価書」には、裁判所がその不動産に下した評価の金額やその算出法が記されています。これをみると、裁判所が決めた「売却基準価額」がどのように定められたかがわかります。
    3点セットのなかでも項目事項が少ないので、ここでは裁判所が下す評価の意義を説明しましょう。不動産競売では、過剰な安価で物件が売却されることを防ぐ必要があります。というのも、この競売の代金が、債務者の借金返済のために充てられるものだからです。あまりに安価になってしまうと、債務者、債権者どちらのためにもならず、不動産競売制度の社会的信用を保てなくなってしまいます。そういう意味では、不動産競売が注目を集め、売却価格がつりあがるのは、悪いことだけではありません。「評価書」によって算出される金額は、買受人が買い受ける不動産価格の目安であると同時に、その不動産の価値を適正に定める指標にもなるのです。
    この「評価書」の評価をおこなう評価人は、裁判所に選出された不動産鑑定士です。実は、この評価人には、法律で定められた資格等は必要ありませんが、実際には厳正な評価のために不動産鑑定士のなかから選任されています。評価人は、その物件自体の評価をし、不動産競売の特殊性を考慮に入れた上で評価額を算出します。

      事実、「評価書」には、「不動産競売特有の各種の制約(売主の協力が得られないことが常態であること、引渡しを受けるために法定の手続きをとらなければならない場合があること、瑕疵担保責任がないこと等)等を反映させた価格とする」という一文が記されています。

      ●特にチェックすべき項目●


      「評価書」に記された評価額とその算出の過程を読み解くことで、その物件の実像をうかがい知ることができます。異様に安い物件などには、それ相応の理由があるものです。きちんと見極めましょう。また不動産の形状を示す図面及び不動産の所在場所の周辺を表す図面も付随しています。そのほかに都市計画法、建築基準法などの法令に基づく制限の有無も記載されます。これはその不動産を落札したあとにも、大きく影響してくる重要な要素なので、充分に確認してください。こうした法令の基準を満たしていないと、建物の建て直し、土地の場合にはあらたにそこへ建物を建てる際などに、問題が生じてきます。たとえば、敷地の前面道路が幅員4m道路に接し、敷地が前面道路に接する長さが2m以上でなければ、その物件の建て直しはできません。こうした条件を満たしていない物件の価値は、著しく低くなります。
      ごくまれにですが、評価人の見落としがある場合もあるので注意しましょう。


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