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立退に関連する法律

●短期賃貸借保護制度とは?●


「短期賃貸借保護制度」とは、たとえその物件が競売にかけられ、売却されても賃借人が建物の場合は3年以内、土地の場合は5年以内という短期の賃貸借契約を結んでいたら、賃借人はその権利を新しい所有者に対しても行使できるというものでした。この制度は、賃借人の保護のためとされていながらも、競売手続の途中で賃借期間が終了した賃借人は保護がまったく受けられないなど不平等なものでした。また、新しい所有者である買受人から、占有者である賃借者が立退き料をせしめるためにこの制度を悪用する事例もたびたび起こっていました。そのため、平成15年に法改正がなされ、あらたに「明渡猶予制度」が導入されました。

●明渡猶予制度の登場●


「短期賃貸借保護制度」が廃止され、登場した「明渡猶予制度」では、賃借契約期間の長さに関係なく、その物件が競売にかけられ、所有者がかわってもその買い受け後6ヶ月間は、その建物での居住が認められることになりました。この猶予期間中は買受人に賃料相当額を支払うことになりますが、その支払いを1ヶ月以上怠った場合には猶予期間そのものが無効になります。「明渡猶予制度」では、買受人に対する敷金返還請求はできません。
ただし、平成16年4月1日にこの法律が施行された以前から「短期賃貸借契約」を結んでいる場合は、引き続き「短期賃貸借契約」の保護が適用されます。その適用は、この法律の施工後に更新された契約も含まれるので注意してください。
「明渡猶予制度」が施行されたあとに新規の建物賃貸借契約を結んだ場合は、「短期賃貸借権」に基づく保護を受けることはできません。あたらしい「明渡猶予制度」が適用されることになります。「短期賃貸借権」の有無は「登記簿謄本」の「乙区」でチェックしてください。



    ●裁判所による引渡命令●


    競売でその物件の所有者になっても、前の所有者などの占有者がその物件を明渡さない場合に所有者は、裁判所に「引渡命令」を申し立てることができます。申し立ては代金納付の日から原則として6ヶ月以内におこないます。所定の審査後、裁判所は「引渡命令」を占有者への「催告」として通達します。占有者による任意の明渡しを催告しますが、占有者がその通達から1ヶ月経過しても明渡しをおこなわない場合、「強制執行」が断行されます。「強制執行」の通達から断行までに1ヶ月の猶予があり、この間に相手方がでていく場合も少なくないようです。1ヶ月たっても占有者がでていかない場合、「強制執行」が断行されます。その際、部屋から荷物を一気に撤去するという特殊作業をプロ集団に委託するのが一般的です。だいたい100万円前後の費用がかかります。また、この「強制執行」は、いくらきちんとした裏づけのもとにおこなわれているといっても、される側はもちろんする側も気持ちのいいものではありません。そのため、買受人は自身の立会いを控えるケースも多いようです。
    このように買取人も一定の費用を負担し、ある種面倒な手順を踏まなければならないのが「引渡命令」ですが、通常の訴訟よりはスピーディーで簡易的な手続といえます。


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